2017 fujirock  出演アーティスト大予想!

日程も発表され、既に始まってるフジロック

1月中に第一弾発表があるかも?とやきもきしている人も多いと思います。

年々洋楽離れも進み、ヘッドライナー候補も挙げにくくなってきている昨今、それでも、あれやこれや夢を広げて楽しめるのがフジロック

今年も予想大会を実施しましたw

NYで完全に日程が被っているフェスの出演アーティストが発表されたりと、後日修正も必要になるでしょうがw、ひとまず第一弾予想アーティストの発表です。

 

■グリーン

Arcade Fire / ケンドリック・ラマー / メタリカ

ニュー・オーダー / エレファント・カシマシ / ボン・イヴェール

ハイスタンダード / プロフェッツ・オブ・レイジ / カニエ・ウェスト

 

■ホワイト

アラバマシェイクス / Halo Orbit / ブライアン・イーノ

イギー・ポップ / アメリカン・フットボール / エイフェックス・ツイン

スチャダラパー / D・A・N / LCDサウンドシステム

 

■レッド

バッファロードーター / Lord / チャランポ・ランタン

Ogre You Asshole / DJシャドウ / ダーティ・プロジェクターズ

ブロンド・レッドヘッド

 

■ ヘヴン

Go Go Penguin / デヴァンドラ・ヴァンハート / 渋さ知らズ

七尾旅人 / 田我流

空気公団 / レタス / H ZETTIO

 

その他

中村まり / ムジカ・ぺッコリーノ / スカート

フジファブリック

児玉奈央 / 小沼ようすけ

 

3名のフジロック仲間の毎年恒例、新春予想大会の第一弾。

ひとまず保留もありますが、このような予想に。

今年から非ロックが増えるんじゃないか?ヒップホップ、ジャズあたりのアーティストが増えそうな予感がしてます。

昨年のカマシ・ワシントンやロバート・グラスパーといったジャズ勢、もしかしたら、ベビーメタルで封印が解かれたアイドル勢の出演などもあるかもしれない。

期待したいワールドミュージック系は、こう言った流れで減少するかも…などと妄想するのも楽しいですね。

ジャズ勢ではマーク・ジュリアナ、ハイエイタス・カイヨーテ、ジャガ・ジャジストなども出そうな気がするし、アイドル勢では宇多田ヒカル、パフューム、ねぎっこ辺りは出ても全然おかしくない。

もちろん、これは予想です。希望ではありません。

個人的な予想ラインナップは以下の通りですw

■グリーン

ニール・ヤング / ジャック・ホワイト / 細野晴臣

■ホワイト

B・メルドー&クリス・シーリ / ブライアン・イーノ / ニック・ケイヴ

■レッド

アドリアーナ・カルカニョット / ムーディーマン / アラバマ・シェイクス

■ヘヴン

サラ・ジャローズ /  ギリアン・ウェルチ / アビゲイル・ウォッシュバーン&ベラ・フレック

まず、ないですけどw

これからアンテナ伸ばして、更にヴァージョンアップを予定しています。

乞うご期待!

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今月のライヴ 藤井郷子4

「月1回ならライブもいいよ」と妻が言ったから、今日はライヴ記念日

そんな感じで、月一回入魂のライヴ選びをしているw
別に行かなくても良い時もあるし、そういう気分でもない時もあるんだけど、毎月一回のライヴを入念に選ぶのも悪くない。
さて、今年の締めは中村まり・ロンサムで全く無問題だったんだけど、明けの1月は結構悩まされた。
七尾旅人with梅津和時と悩んだけれど、最終的に決めたのはこれ。
藤井郷子4&藤吉(藤井郷子+吉田達也)!
国内のジャズピアニストで好きなのは山下洋輔板橋文夫、南博、スガダイロー、そして藤井郷子あたり。
特に藤井郷子は、女性だし、ちょっと特異なピアニスト。インプロなんだけど凄くメロディアス。このカルテットはリズム隊がロック畑なので、ロック好きにも分かりやすくメタリックなクリムゾンに近い印象が個人的にはあって相当好き。フリージャズ+ロック+プログレでありながら、結構スウィングしていてリズムが柔軟。
ただ藤井さんが、ヨーロッパでも人気なので国内で4をやるのは結構レアなので、なかなか見ることがままならない。
横浜プロでの藤井4は、個人的に国内ジャズのライヴでは忘れられない刺激的な演奏で、藤井の圧倒的な統制力と変幻自在なパフォーマンスに圧倒された。
もちろん各メンバーのスキルがメチャクチャ高いのは言うまでもないけど、藤井郷子のピアノは、ハイレベルでありながら聴きやすく、しかも躍動感がある。フリーと言いつつ、それなりにポップだと思う。
決して破壊や(良い意味で)暴力的になら
ないのが女性的だななんて思ったりもするプレイが大好き。

ピットインで藤井郷子4を堪能して3000円w

東京が良いな、と少し思うのは、こんな時。

 
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Not All Who Wander Are Lost / Chris Thile

 

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2001年、クリス若干21歳の時にリリースした作品。

一聴してクリスのマンドリンの爽快な響きにドキッとさせられます。

そして、バックにベラ・フレックやJ・ダグラス、エドガー・マイヤーなどが名を連ね、今に続くクリスの異種格闘技戦の始まりが、この作品にあることを教えてくれます。

先頃のパンチブラザーズ初来日公演の衝撃は、各音楽メディアでもブルーグラスのバンドとしては破格の扱いを受けましたが、「ブルーグラスではない」と言う主張は、少々的外れでしょう。

ライヴで印象に残ったのは、クリスがブルーグラスという音楽を愛していること。

愛しているが故に、ブルーグラスをアップデートしなければならないことを痛切に感じているのだということがライヴから伝わってきた筈です。

だからこそ、この作品がクリスのターニングポイントになった重要な作品だと改めて思わせられます。

クリス同様、ベラはブルーグラスに新しい血を混入しようとしているアーティストであり、ベラはどちらかというとジャズからのアプローチが見て取れます。

本作⑦などはベラっぽさを感じてしまいます。

しかし、作品全体から受ける印象はクリスのブルーグラスでやれることをやること。そして、それを超えて行こうとする強い意志です。

この作品に惹きつけられるのは、クリスのアーティストとしてのブルーグラスへの強い愛情と美意識だと思います。

あくまでも足場はブルーグラスにある。ある種のクリスのブルーグラス作品の集大成的な意味合いのある作品だと、どうしても思える作品ですね。

全曲インスト。クリスの声が恋しくもありますが、それ以上にクリスのマンドリンの美しい響きは、パンチでは後退しているだけにじっくり聴きたいものです。

振り返ってみれば(2016年)、この作品はマンドリン奏者クリス・シーリの集大成。

この後、新しいエピソードが始まり、そのエピソードはブルーグラスを踏襲しつつ、それを越えようとするクリスの果敢なる挑戦の試行錯誤と達成の章となっているのだと思います。

 

「1989」はまごうことなき傑作 テイラー・スウィフト

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今更ですが、テイラー・スウィフトですw

なんで?と仰しゃる方もいるかもしれませんが、彼女はれっきとしたカントリーシンガー。インタビューで「カントリーが好きと言っていじめられた」と語っているのを見て、やっぱりそういう風に見られるもんか…と改めて思ってしまった次第。

彼女の「1989」はジャケットがソフィア・コッポラの映画みたいで気になっていたというか、とても好きだったのですが、かのライアン・アダムスが丸々アルバムをカバーと聞いて、これはちょっと見過ごせないと思って、ブックオフで500円だったので購入した次第ww

 

さて、一聴しての印象はシンディ・ローパーの傑作「ハイスクールはダンステリア」(あえて邦題で書かせていただきます)

冗談ではなく、第一印象で浮かんだのはそれです。

揺るぎないメロディ、色褪せることのないポップ性を帯びた強い楽曲を、現在進行形のアレンジでデコレートした作品というのでしょうか。

80年代らしいアレンジながら、シンディのあの傑作は楽曲が段違いに素晴らしいが故に時代の風化に耐え、今でも十分評価されている。

それに似た印象がテイラーのこの作品にはある。

楽曲が強い。ライアンがカヴァーしたのは、これだけの楽曲だったらアメリカーナで歌って良かっただろう、というクレームにも似た賛辞としか思えない。

テイラーがカントリーシンガーとしても逸材なのは間違いないのですが、このアルバムでジャンルを飛び越え、今風のポップミュージックなんて余裕で出来ますよと高らかに宣言したような作品だと思います。

 

それこそ、古びれてしまいそうな今風のアレンジも意図的で、それでもこれだけの楽曲だったら時代の風化に耐えられると言っているようでもあります。

まごうことない傑作。2010年代を代表する一枚でしょう。

もちろん、その作品のクオリティは相当なもので、テイラー侮りがたしと言わざる得ない強力な作品です。

これは貴重な映像になる! パンチブラザーズ「ハウ・トゥ・グロウ・ア・バンド」

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ディランがエレクトリックでライブを行った時に「ユダ!(裏切り者)」とファンから非難されたのは、もはやロック史上の事件として知られています。

偉大なアーティストの大変革は、時に聴衆の激しい非難を浴びます。

その大変革は時代がゆっくりと審判を下すのが世の常。そして、大概は失敗を恐れず、変化を求めた者が正しいことが証明されるようです。

なぜなら、変化を促すには大きな信念や力が必要だからでしょう。

パンチブラザーズのドキュメンタリー「ハウ・トゥ〜」は、そう言った変革の決定的な瞬間を切り取った貴重な映像となるでしょう。

天才クリス・シーリがニッケル・クリークを解散し、その音楽的な挑戦をパンチブラザーズで果たそうとする初期の段階を見事に捉えた記録で、クリスの苦悩やメンバーの戸惑いが描かれ、最終的にパンチブラザーズがクリスの才能を燃料に見事にヤマを越えていく様が描かれています。

何より、クリスがブルーグラスという旧態然としたジャンルの壁を越えようと足掻く様が感動的です。

もしかすると、クリス・シーリは21世紀の、そしてブルーグラス界のフランク・ザッパのような存在になるのではないか?とさえ思いました。

ジャンルを超え、あらゆるジャンルを飲み込み、その底なしの懐であらゆるジャンルを「音楽」という括りに書き換え、すべてを表現してみせる稀有な存在に思えたのです。

弦楽五重奏「The Blind Leaving The Blind」組曲をライヴで披露する時の映像には、ちょっと驚きました。クリスが緊張し、揺らいでいる様が赤裸々に撮られています。

クリスにとって非常に大きな挑戦であることが観ている側にも十二分に伝わってきます。

よもやパンチブラザーズがブルーグラスというジャンルから大きく羽ばたこうとする歴史的瞬間が観れるとは思いませんでした。

そんな貴重な映像が、本作の大きな山場として序盤に出てきたので不意を突かれました。

本作のファーストシーンのクリスの激しいソロプレイを見れば、パンチブラザーズがブルーグラスというジャンルの枠に囚われていないことが、一発で分かります。

この映画は、パンチがブルーグラスを大きく逸脱し、変えていくだろう事を前提で作られており、監督の意図がはじめから歴史的転換の瞬間を撮ろうとしていることが分かります。

パンチ来日公演が「事件」だと断言してきた者としては、監督の気持ちがよくわかる。

クリス・シーリの演奏、パンチのライヴを見れば、ただごとではないことは形にはなっていなくとも、多少なりとも音楽的感受性の鋭い人であれば確信できて当然です。

そう言った意味で、パンチの来日公演とこの作品のリリースは、極東の国日本では、やはり事件だったのでしょう。

この先、時代がゆっくりとクリス率いるパンチブラザーズに審判を下すのを待つだけ。

この作品を見て私は、確実に時代はパンチブラザーズに微笑むだろうと確信を強めました。こんなにワクワクするのは久しぶりです。

 

事件だったよ!全員集合! パンチブラザーズ来日公演

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今年のフジロックは終わっても、あの一抹の寂しさがなかったのは、パンチブラザーズの来日公演が控えていたから。

それぐらい待ち焦がれていたパンチブラザーズの来日公演。

「これは事件だ!パンチがライブハウスクラスの箱でやるなんて事件ですよ!」と狼少年のように言いまくっていたんだけど、予想通り反応は皆無でw

なんとか一緒に行ってくれる相方を見つけて行ってきました!ブルーノート東京

噂が噂を呼んだのか、来日公演最終日はソールドアウトとなり、会場はかなりホットな状態でした。

会場に入って驚いたのはステージ上にはマイクが一本。まるで漫才でも始めるかのようなステージで、モニターもスピーカーもなんもなし。

確かにマイク一本で演奏している映像ばかり見ているけれど、まさかモニターも何もないとは思いませんでした。

大人気なく会場に駆け込み、最前ステージ右を陣取って、その登場を待ちました。

 

その後、様々な人のライヴレポートを読んで知ったのですが、ステージ上の音響は凄いことになっていたそうです。

一本のマイクなのに全てのパートの音は頭上のスピーカーから聞こえてくる。

これはステージにあった、たった一本のマイクが超高性能マイクだったからだそうで、マイクに焦点を合わせたピンスポットライトの円の中の音は拾うけれど、メンバーの誰かが円の外へ行くと楽器の音どころか足音も聞こえないと言う恐ろしい状況を作っていたそうです。

高性能だけに楽器の音は拾う。しかし、その距離感は殆どないが為に、それぞれメンバーがマイクからの距離を計算しながら音のバランスを調整していたから、前へ出たり後ろに退いたりしていたというw。

 

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当然、そんなことは知らないで見ていた訳ですが、そのアンサンブルには驚かされました。

時にブルーグラス、時にプログレ、時に室内楽

楽曲、アレンジごとにその様相をガラリと変える七変化にも驚かされるし、それぞれの演奏の繊細さと大胆さ、そしてビーチボーイズばりのコーラスワークの美しさ。

どれを取ってもパーフェクトとしか言いようがありません。

ましてや、今回の来日公演で絶対聞きたかった「Familiarity」の再現ぶりときたら、もう美しくてため息も出ない…

B・ウィルソンがやりそうな組曲のような作品を目の前で繊細に、そして忠実に再現してみせる技量、これはリアルタイムでしか味わえないエキサイティングな瞬間でした。

その後の怒涛の演奏ときたら、最早ブルーグラスとかオルタナとかどうでも良し。

パンチブラザーズという超絶技巧バンドが、その現在進行形のアグレッシヴな作品群をブルーグラスという歴史あるジャンルのルールを踏まえつつ自由奔放に演奏するという一大エンターテイメントショーだったのです。興奮しないではいられません!

目の前で天才クリス・シーリーとその仲間達が見せてくれたプレイは、息を飲むジャンルやスタイルなどを軽く飛び越えた「新しい何か」でした。

ジャンルを破壊し、創造する者。ピアソラは、かつてそう言われました。

ブルーグラスというジャンルでそう呼ばれるに違いない男、それがクリス・シーリー。

そして、その革命を遂行するべく集められた凄腕集団こそがパンチブラザーズ。

その熱と腕前を満喫出来たのが、今回の来日公演で、それがライブハウス規模のスペースで観れたことを感謝せずにはいられません。

やっぱりパンチブラザーズの来日公演は事件でした!

fujirock 2016 総括その3 歌モンスター復活 UA

f:id:shibusa423:20160731220339j:plainしょっぱなから「情熱」!!!!!!!

不意をついて、UAの「やったるで!」的な気合の入った選曲にのけぞった。

ここ数年のUAは、ちょっと学究的というか難しい方に針が振れ過ぎた印象があり、悪くはないのは当然だけど、ちょっと物足りないものを感じていた。

今回はリトルクリーチャーズのメンバーや山本達久をバックにしているのもあり、ある程度は期待していたけど、ここまで気合が入っているとは思わなかった。

UAのライヴを見たのは、ちょうど「情熱」がヒットした直後、事務所主催のライヴでフィッシュマンズを見たのもそのライブだった。

持ち歌が少なかったこともあってジェファーソンエアプレーンのカヴァーなども交えていて、その歌唱力、声の素晴らしさに圧倒されたが、その時のライヴに近い、歌手UAの凄みを感じるライヴだった。

往年の名曲から新曲、そしてカヴァーは「モンスター」w

正に女性ボーカルのモンスターだったUAの復活を宣言するようなナンバーだった。

気合入りまくりのUAは、溢れ出る衝動を早く吐き出したいのか、落ち着きなくソワソワしながら次々と歌を歌いまくった。

久々にUAの底力を見せつけられたようなステージ。

ラストはしみじみと「ミルクティー」

やっぱりUAは類まれなる歌い手であることを実感させられた圧巻のステージだった。