(日本では)超無名、それでも光り輝く butterfly child
海外では人気があるのに、日本では全く…ていうアーティストを好きになるのは多いけど、このジョー・キャシディーことバタフライ・チャイルドは、海外でも残念ながら知名度が相当低いらしいw
元々1990年代に活動していましたが、その後活動を休止。そのまま消えたと思われていたのが、なぜか21世紀もしっくりし始めた2015年頃に奇跡の復帰を果たしましたw
この作品は活動休止前の1995年リリース「the honeymoon suite」
これが今聞いても全然色褪せてません。
サイケ色もあるが、全体的にドリーミーポップというのがふさわしいでしょう。
B・ウィルソンやバーパンク、90年代のブリットポップetc
今聴くとプレファブスプラウトに近いものを感じたりもします。
内省的なストレンジポップの色合いもありますが、様々なポップソングのスタイルを網羅しているため、聴く人によっては統一感がないと言われそうでもありますw
ただ、この雑食性とセンス抜群のメロディラインやサウンドプロダクションは埋もれたままにしておくのはもったいない。
ネオアコの爽快さを感じさせる「Gohst on the shoulder」、かなりディープなサイケ「Deep South」、ドラマチックな幕切れを演出する「I Shall Hear In Heaven」
もっと多くの人に聴いてもらいたいアーティストです。
フジロック2018 出演者予想 まさかの!ディラン、やっとエレカシ
一般のニュースになっちゃうくらいのサプライズ!
よもやのボブ・ディランには驚いた方も多いでしょうw
ノーベル賞受賞者の出演は、当然初w当たり前ですが、びっくりしました。
ニール・ヤングに続く超大物。
何にせよケンドリック・ラマーとボブ・ディランが並ぶことで、フジロックの面子がぐっと違ったものに見えてきます。
これだからフジロックは面白いし、別格のフェスという印象を持ってしまいます。
これを当てるのは至難の技と言いたい。いくら予想しようと思っても、やっぱりディランを当てるのはちょっと難し過ぎます。
だからこそフジロックは面白いんですけどw
サマソニがフライングロータス、サンダーキャット、Pファンクを並べてきて、力の入れようをアピールしても、ケンドリックとディランを並べてくるフジロックの力技に一発で吹き飛んでしまった感もあります。
今年の成功は約束されてしまったんじゃないでしょうか?
そして続けざまにエレカシの出演決定に、ようやくかという思いと共に、今後の発表でもう大物は期待できないかもな…という思いもw
というか、ディラン発表で今年のフジロックの出演者発表はある意味一区切りしたといった感がありますね。
なんつったってコレでしょう。エレカシの底力を見るようなこの曲を苗場でやってくれれば、それで良い。勿論「悲しみの果て」とか「今宵の月のように」も良いけど、やっぱり僕にとっては「ガストロンジャー」とか「ファイティングマン」がエレカシ。
個人的にはボブ・ディラン〜ニック・ケイヴ〜エレカシなんて「現代の詩人」三連発なんて流れがあったら昇天ものですが、それは欲張り過ぎですかね。
ディラン〜井上陽水〜エレカシってのもありだなあ…とか、ディラン〜宇多田ヒカル〜エレカシでも良いなあとか。色々流れも考えちゃいます。
個人的にはディランの前のアーティストが俄然気になり始めましたw
何を持って来ればディランとの流れを作れるか?海外勢だとニック・ケイヴも面白いけど、ディラン前に日本ではあまり知られていないライヴ巧者を持ってきて日本で一躍名を広めようという試みがあっても面白いんじゃないかとか。
個人的にはニック・ケイヴの他に、ギリアン・ウェルチとかウィルコ、スフィアン・スティーヴンなんかが期待したいところですが、ちょっと予想ではディランがファンだと公言しているステレオフォニックスあたりが妥当な線かなあなんて思っています。
とにもかくにもディランの前は誰か?クイズが熱くなってきました!(笑)
Like Zappa / ブルース・ホーンスビーと言う最高の一発屋
一発屋と言うのは、日本では結構笑われがちですが、海外では案外違うようです。
結構一時代を築いた人のような、敬意を払うニュアンスが入るようです。
このB・ホーンスビーも一発屋のイメージが濃いアーティストでしょう。
しかし、アメリカでは特にブルースのようなライヴ主体で活動するアーティストは話題も少なく、誤解を招きがちで、ブルースは典型的タイプの一人でしょう。
とにかく器用な人で、ロックに留まらず、ジャズやブルース、ニューオリンズ系、AORなど様々なジャンルの音をごちゃまぜにしたようなアーティストです。
ましてや大ヒットした「The Way It is」の時の名義であるRangeを早々に解散し、ソロ、noise makersと名義を変えてライヴ活動を中心にしています。
ブルースは一時期グレイトフルデッドに在籍したりと日本人が知らない間にメキメキとその腕をあげていたのですw
さて、彼の経歴はデッド時代を経て、さらに雑食性を増していくと同時に、即興演奏を得意とし、ジャムバンドのようなスタイルになっていったのだと思います。
そんなB・ホーンズビーの真骨頂はライヴにありと言う評判を裏打ちするのがコレ。
ライヴ盤に目がない私としては、このアルバムは相当なお気にです。
しかし、私がこのアルバムを愛するのは内容の素晴らしさだけではありません。
このジャケットを見て、何か思い出しませんか?初めてこのアルバムジャケットを見た時、私はすぐにあるアルバムジャケットを思い出しました。
それがコレ。
ネットで調べても、この2作を比較している人はいませんでしたがw、私はブルースはこの「Here Comes the ~」で、ザッパを意識したと信じています。
何せサイコーに痺れるオープニング一つとっても、まさにザッパの香りがプンプンするのです。その香りは至るところに漂っていて、アメリカーナ的な要素を省いていけばザッパのサウンドに非常に近くなると思います。
ただブルースがクレヴァーなのは、彼らしさを決して失っていないところです。
軽やかなブルースのピアノ、彼らしい美しいメロディと素晴らしいバンドサウンド。
アメリカの様々なサウンドスタイルをマスターしたバンドの素晴らしい演奏と疾走感だけをとってみればザッパ以上かもしれません。
もちろん、雑食性でも一歩も引けを取っていません。
このライヴ盤からも様々なジャンルの音楽を聞き取ることが出来、即興を軽々とこなすブルース他メンバーが一丸となってノンストップでドライヴしまくっています。
このアルバムはお気に入りのライヴ盤殿堂入り間違いない作品です。
多くの人に是非聞いてもらいたい一枚。
フジロック2018 出演者予想 持ち直し a little の巻
と言うことで、第二弾が発表になりました。
第一弾でケンドリックのみと言う散々な結果から考えると、第二弾で持ち直したと言って構わないでしょう。構うもんかw
さて、当たったのはブラフマン、ダーティープロジェクターズ、ジョン・ホプキンス、サチモスの計4組。いいじゃないですか。
ブラフマン、DP、サチモスは予想できなくもないですが、ジョンホプはファインプレーじゃないでしょうか。
個人的にはタイコなどでも何度も来日しているにも関わらず、なぜか縁がなく見逃しているジョンホプは正直嬉しい。
イーノの片腕などと言われていますが、この人の「Immunity」は、好きなテクノアルバムでいえばベスト10に必ず入るお気に入り。加えて、故レイハラカミさんが一時期聞き込んでいたと言う、この曲はテクノではマイルストーンクラスの一曲です。
これは是非苗場で聞きたいw
これはショートバージョンですが、素晴らしいの一言に尽きる…なんならこの曲だけ延々とやる1ステージ1曲のパフォーマンスでも構わないくらい大好き。
ジョンホプ出演は個人的には飛び上がらんばかりの嬉しさです。
DPも嬉しいです。
サマソニもブラック中心のラインナップになってる中でDPはロックよりと思われる方も多いかもしれませんが、個人的にはジェイムス・ブレイクと並んで、実はブラックよりのアーティストと思っているのがDP。
ソランジュのアルバムへの参加など、現在のDPはどちらかと言うとブラックミュージックとの接点の方が多いアーティストです。
クールなグルーヴ。決してアッパーまで「いかせない」グルーヴがDP。
新作は結構愛聴してますが、想起するのはスライの「暴動」やZAPP、カーティスの「There's no place like america today」だったりします。
こちらも期待できますが、実際新作からのライヴで盛り上がるのかが心配w
しかし、サマソニがフライングロータスやファンカデリック、カマシやサンダーキャットと飛び道具な上にフジロックでもおかしくない良い面子を揃えてきてるのに大丈夫なんだろうか?
今の流れだともう少しブラック、ヒップホップ勢が来そうですね。
個人的にはヘッドライナーにU2か宇多田は予想していてなんですが、十分ありうると踏んでいます。
勝手に自信を持っているのは、のんと坂本慎太郎、ハナレグミの日本勢は固いと思っていますし、アノーニ、Mura-Masa、ジャミラあたりもいけるんじゃないか?と個人的には思っています。
第三弾に期待ですねw
フジロック2018 出演者予想 玉砕wの巻
すでに第一弾が発表されましたが、かなり玉砕に近いですw
昨年からヒップホップ、エレクトロ系に傾倒していくことは予想していましたが、ここまでとは…という印象は拭えないですね。
まずは第一弾で玉砕気味の予想からw
グリーン
ベック・フランツフェルディナンド・セイントヴィンセント・エレカシ・NIN
ケンドリック・ラマー・エド・シーラン・ハイスタ・エミネム・ビヨンセ
ホワイト
ジョーイ・バッド・アス・坂本慎太郎・モグワイ・ジャミラ・ウッズ・MOON CHILD
ナショナル・ヤーヤーヤーズ・アメリカンフットボール・フューチャーアイランド
ゆるふわギャング
ジャック・ホワイト・椎名林檎・エニグマ・カニエウエスト・Zedd
レッド
アノーニ・Mura-Masa・Chai・Taylor the Creator・ジョン・ホプキンス
柴田聡子・藤井隆・leaners・Okamoto's・サチモス
ダーティープロジェクターズ・石野卓球・ジャミロクワイ・アレクサンドロス
サニーデイサービス
ヘヴン
カマシ・ワシントン・ハナレグミ・Eeels・細野晴臣・I'm with Her
七尾旅人・Yo La Tengo・渋さ知らズ・ジム・オルーク・Lord Echo
Yasei Collective・大橋トリオ・藤原ヒロシ・空気公団・ハイエイタスコヨーテ
苗場他
mei Ehara・のん・CRCK/LUCK・Polaris・スカート
ミサトとトンカツ・王舟・バンバンバザール・DJみそしるとごはん・ハンバート2
正月予想とはいえ、当たったのはケンドリック・ラマーだけという体たらく。
ケンドリックも普通に当てられておかしくなかっただけに、ほぼ全てハズレと言ってもいいでしょう。6回目にして最低の的中率というしかありません。
一人はベック、セイント・ヴィンセント、NINとサマソニで3組的中させるというwどのフェスの予想してたんだ?と聞きたくなるような予想でした。
個人的にはU2は結構当てにいった感。希望としては宇多田が入ると面白いと思っていたのですが、見事にハズレましたw
何よりもヒップホップやエレクトロの比重が上がっているのは間違いない訳で、今後どのようなアーティストが入ってくるか注目です。
ただ、これだけ大胆な構成変更はいまだかつてなかったと言ってよくて、今後のちょっと時代の節目感がハッキリと出たと言っても良いでしょう。
ただケンドリック、NERDは現在の人気から考えるとヘッドライナーは間違いないはずなので、これでヘッドライナーはバンド方面になるんじゃないかと思っています。
なのでエミネムはなさそうですねw
まだまだ続く続報に期待ですが、今年からフジロックの様相がガラッと変わる予感。
第一弾ではアンダーソン・パーク、ケンドリック、カーラ・トーマス、ホットハウスフラワーズあたりは嬉しかったです。ヴァンパイアもロームの復活でちょっと見たい気はしてますが、まだまだワクワク感は足りない。
ソニックマニアのフライングロータス、サンダーキャット、P−ファンクの方が並びとしては俄然アガる感じなので、是非ともフジロックには頑張ってもらいたいです。
お前をブルーグラスにしてやろうかっ! クリス・シーリの雑食性と順応性
自分にとって、今年はクリス・シーリ&ブラッド・メルドーに始まり、このクリス・シーリの「Thanks for Listening」で締めくくったと言っても過言ではないかも。
何せ、クリス&メルドーのパンパン膨れ上がった期待をも上回る素晴らしいアルバムにノックアウトされ、狂ったように聴き続けたのに、年の瀬迫った今、このような全く色合いの違う傑作をリリースするのだからクリス・シーリ恐るべしです。
今回の新作はブルーグラスじゃありませんw!純度の高いポップスです。
そして、このアルバムでクリス・シーリはシンガーとして確固とした地位を確立したと言ってもいいかもしれません。
超絶技巧のマンドリン奏者として語られがちなクリスですが、実はソロ、パンチブラザース、数々のデュオとワーカホリックに仕事を重ねる中でシンガーとしての実力を恐るべきスピードで上げてきていました。
その成果がこのアルバムの聴きどころであり、クリスのキャリアの中でも意味を持つものになっていると言えるかもしれません。
驚くべきことに、このアルバムではあのバンジョーをプレイしていない楽曲さえあるのです!
更に、パンチで披露したB・ウィルソンばりのポップソング組曲を鮮やかなコーラスワークで聞く者の度肝を抜いた才能もいかんなく発揮しています。
とにかくAORのような美しいハーモニーとメロディに驚かされるのは必至です。
本作はクリスが担当したラジオ番組で披露された楽曲を集めた、いわばオムニバス形式と言っても良い作品ですが、オムニバスであるからこその自由さをクリスは謳歌しています。
様々なスタイル、時にドリーミーなポップスであったり、胸を締め付けられるようなAORばりのポップチューンだったり、ディスコソングのような軽快なチューンだったり、クリスがしょっちゅう見せている信じがたい音楽に対する雑食性が全開です。
そのバラエティに富んだ楽曲群が、まさにクリスマスの夜に街に流れている楽しげなラジオ番組のような雰囲気を醸し出している。
クリス&メルドーでアーティスティックでもある強者同士のせめぎ合いを軽やかにやってのけた後の肩の力は抜いているけれど、職人技として言いようのないパーフェクトなポップスアルバムを出すあたりに、クリスの底知れない才能が見て取れます。
サラ・ジャローズやイーファ・オドノバンなどお馴染みのシンガーもゲストで参加。
現在進行形でクリスを楽しんでいるファンならば、間違いなく楽しめる一枚。
そして、知らなかったファンにも門戸が大きく開かれた一枚でしょう。
唯一欠点があるとしたら、初めての人には大きな誤解を招きかねないことくらいでしょう。
chocolate genius inc / Truth vs beauty
チョコレート・ジーニアス・Inc
何人の人が知っているだろう?どうもアーティスト受けばかりして、それが売り文句になってるんだけど、どうにも売れない。そのパターンの一人です。
マーク・アンソニー・トンプソンと云うパナマ生まれのアーティストのソロプロジェクトですが、黒人の作品とは思えないほど繊細でブラックさを感じさせない不思議なアーティストです。
個人的には2005年の「ブラックヤンキーミュージック」でノックアウトされた口で、その頃にはD・バーンやP・グラスなどがこぞって賞賛していました。
深淵なる声、ズブズブと足元から沈みこむようなサウンド。音と音の間の静寂に聞こえない無数の音があるような、濃密な静けさがあるのが特徴と思ってますが、何を言っているのか好きな人にしかわからないとは思います。
そのチョコレートジーニアスが新作を出していました。
しかもフランスのレーベルからの発売と云う謎のリリース。ニュースにもなってないんじゃないかと思われます。
今年の3月にひっそりリリースされている…
サウンドはあいかわらずで、素晴らしく濃密で、フォーキーで深く、緩やかなグルーヴが渦巻いていて、静けさが鳴っています。
全て自分で演奏し、多重録音した作品のようで、ノイジーな曲やカントリーチックな歌もあり、フランスでリリースされているからか、結構アメリカらしさが出ているのが、アンソニーらしいひねくれ具合かもしれません。
アナログを購入したのですが、レコードは真っ白。ジャケットは人を喰らう巨大羊。
アートディレクションも細やかでしっかりしていて、所有欲を刺激される良いプロダクトだと思います。
興味を持った方は是非。はまる人はズブズブはまってしまうアーティストです。