Justin Townes Earle / The Good Life
情報過多は情報不足と紙一重。
ただでさえ情報が入りにくくなった感のある洋楽シーンにおいて、オルタナカントリー系のアーティストの情報なんて、ほんとネットで手探りで探すしかありません。
かねがね気にしていたジャスティン・タウンズ・アールだって、NPRで偶然見かけなければ、全く知らないままでもおかしくありませんでした。
この人、かのスティーヴ・アールのご子息です。
ただ色々家庭の事情があって、親子とはいえ一線を画しているようで、それでもミュージシャンになるのだから、正に「血」なのかもしれませんね。
この作品は2008年リリースのファースト。
武骨かつロック臭をプンプンさせる父親と違って、かなりバラエティに富んでいる上にアメリカーナの様々な要素を散りばめた思った以上に好みの作品でした。
ジャズやカントリー、ロックやブルースに留まらず、あらゆるアメリカで流れる音楽を詰め込んだような作品で、予想以上にジャンルレスで好みでした。
ただ、このようなジャンルレスな作品は、捉えどころがないだけに埋もれがちなのも確かで、人はそれを器用貧乏と言ったりします。
個人的には一枚のアルバムで様々な音楽が聞けるのは好物なので、ジャスティンのこの作品は一聴して気に入ってしまいました。
ボーカルも上手いというより味わいのある声で好み。バックの演奏も手堅く、様々な曲調にジャストな感じで寄り添っています。
アメリカーナ好きで、ちょっと探求気質の人であれば気に入ること請け合いです。
他のアルバムも聞きたくなりました。見つけたら即買いアーティストにエントリーしてもなかなか懐の深いアーティストのようです。