大御所の握りっ屁 細野晴臣「Hochono House」

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注意!!個人的には圧倒的に泰安洋行、はらいそシンパなので悪しからず。

 

なぜHochono Houseだったのか?というのも、細野さん的に何かしらの不満があったんじゃない?と思うくらいに「アルバムとしてとっ散らかっている?」印象が個人的にはあるので、「近年の本作評価は過大評価では?」と思っていましたw

だからでしょうか?初聴で、細野さんの飄々とした感じに「やるなあ…」という印象がありました。

そもそもがカリスマ的扱いを敢えて避けてきた人です。

YMOの人気絶頂の時でさえ、ヨーダだのETだのと言って自嘲的になっていた人だけに、このような初めから奉られてしまいそうなアルバムを作るのはらしくないとも思っていました。

ところが蓋を開けてみれば、これがまた過剰な期待を寄せるファンにちょっとした握りっ屁的な一発を食らわすような人を喰ったアレンジに、さすがと唸りました。

これは近年事あるごとに再評価され崇め奉られかねない空気の中で、ファンへの挑発的な裏切り行為、と言うよりファンに対して、思わず微笑んでしまうようなちょっとした可愛いすかしっ屁みたいな作品に仕上がっています。

この全身脱力した感じが「らしい」と思えたりもしますが…

カリスマアーティスト渾身の一作かと思ったら、茶目っ気たっぷりの小粋な小品が出てきたような、この痛快な感覚は、ちょっとひねくれているかもしれませんが…w