無駄を無駄にしない 渋大祭
すみません、しばらく間が空いてしまいました。
子供に病気うつされたり、台湾へ行ったりと忙しない日々に奔走してました。
さて、日本が誇るジャズ民族集団渋さ知らズの30周年記念「渋大祭」に行ってきました。
色々なご縁があって、渋さ知らズとは長い付き合いなのですが、今回のお祭りは特別です。
サン・ラ アーケストラ、ザゼンボーイズ、クラムボン、渋谷毅オーケストラ、スガダイロートリオ、中村佳穂、ROVOなど、腕利きが勢ぞろいした濃密なメンツが首を揃えて渋さを祝うというゴージャスなイベントに行かずにはいられませんでしたw
そもそも渋さのライヴ自体が祝祭なのです。
渋さのライヴこそ「旋律の下に皆が集まる祝祭の空間」だと信じている一ファンなので、渋さを祝うというのは「祝祭を祝う祝宴」って、どんだけ祝うんだよwというような妙な感じさえします。
ステージには懐かしいメンバーもいたり、感無量でした。
初めて渋さを見た時、そのいなせなサックスソロにノックアウトされた早坂沙知、大沼ブルースの不穏な雰囲気を醸し出すオルガンソロが大好きだった渋谷毅、「犬姫」の超ロングなピアノソロが強烈だったスガダイロー、背後には勿論御大片山広明の姿もw
芸達者な腕利きが揃いに揃っても、やっぱり現役渋さメンバーが光り輝くのも渋さの良いところ。
日々渋さの旋律の下、グルーヴを作り出している面々の現役感にベテランの名演も交わり、混沌としたグルーヴが益々進化していく展開は、やはり渋さの真骨頂。
ラストはサンバダンサーがステージに並び、肝心の渋さが全く見えなくなるという謎の展開も渋さらしいし、ステージ横でずっと腰をくねらせる看護婦姿のおじいちゃんがいるのも渋さらしい。
なんだろう、無駄なことを無駄にしない渋さの魅力。
なんでもかんでも効率を追い求める窮屈な現代に、渋さの無駄だらけだからこそ醸し出される祝祭の空気に涙が出そうになることがあります。
誰も空気を読まない。ただ「今ここにいること」の喜びを本能のまま曝け出して祝う。
それがサンバダンサーだったり、おじちゃんだったり、バナナを持ったお姉ちゃんだったり、乳房知らズだったり、竜だったり、なんでもあり。
でも、そこに妙な勘ぐりも打算も摩擦もなく、あるがままに受け入れられる空間。
それが祝祭の場であり、渋さ知らズという場なのではないでしょうか?
その居心地の良さに痺れっぱなしでした。
渋さ知らズ、30周年おめでとうございます!