Buddy Miller / CAYAMO sessions at sea

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オルタナカントリーが面白過ぎる!と言い続けて数年になりますが、未だもって日本ではカントリーと言えば「ヒーハー!チャンチャンチャン、テケテケ」と言った、能天気で楽しげなアメリカ西部のカウボーイのBGMとしか認識されていないようです。

飽くまでも個人的な定義と、購入する時の目安として、オルタナカントリーを決めているので、ここで紹介します。

あくまでも個人的な基準ですので、誤解なきように。

その1

1985年にリリースされたエミルー・ハリスの「レッキングボール」以降の作品。(グラム・パーソンズは、その源泉とみなします)

その2

カーターファミリーなどの正真正銘アパラチアンミュージックを基礎とするのではなく、ニール・ヤングボブ・ディランが直結のルーツとアーティストが認識していそうなもの。

 

この2つを基準にしてますが、あくまでも個人的な解釈もありますので、例外もあります。ただ、この2つはオルタナカントリーを判別する上でかなり重要なポイントであると個人的には思っています。

では、オルタナカントリー(タナカン)を聴く上で重要なアーティストは誰でしょう?

勿論、金字塔「レッキングボール」をリリースした女帝エミルーは必須、その後を追って名盤「テアトロ」をリリースした大御所ウィリー・ネルソン、ギリアン・ウェルチ、ルシンダ・ウィリアムス、次世代を担うクリス・シーリー、サラ・ジャローズ、ベラ・フレック、アビゲイル・ウォッシュバーン、リアノン・ギデンス、スーザン・テデスキやデレク・トラック、ウィルコなどが名前を連ねるでしょう。

しかし、当然ビッグネームと並んで名バイプレイヤーがいるのが音楽の楽しいところ。

ジェリー・ダグラスやベラ・フレックなどはバイプレイヤーの垣根を飛び越えて名前が知られていますが、その中でも「いぶし銀」とも言うべきギタリストがバディ・ミラーです。

この人の参加した作品は無数にあります。パティ・グリフィンと並んで、そのクレジット掲載の多さは相当なものです。

正にひっぱりだこと言うべきで、上記のアーティストの幾つもの作品に参加していたりしますが、勿論自分名義の作品も出していて、これがまた良い。

今回紹介する作品は、現時点での最新アルバムとなります。

これは船上でカントリー系のアーティストのライヴを行うイベントで、様々なアーティストとの共演を収録したアルバムです。

バディの歌は決して上手いとは言えませんが、かなり味わいがあって個人的には大好きですが、今回の作品では様々なゲストボーカルが名を連ねています。

そんな中でも必聴と言えるのは、ルシンダ・ウィリアムスの「Hickoly wind」です。

最近更に味わいを増し、カントリーというよりブルースのような風格を帯びた渋い歌声でファンを魅了するルシンダ姐がグラム・パーソンズの代表曲を歌い上げています。

GPのファンでなくとも痺れること請け合いですね。

それにストーンズの「Wild Horses」もshawn colvinがカヴァーしており、良いです。

この人、恥ずかしながら初めて聞きましたが、良いシンガーです。

他、かなり王道のカントリーからタナカンらしい哀愁のある歌多数。

期待していたバディの魅力的なギターはかなり後ろに引いていますが、ここはゲストボーカルを引き立てるバディの人柄が出ているのか、あくまでも主役はシンガーです。

ここからルシンダ姐へいってもよし、未だ知らぬカントリーシンガーへ行っても良し。

バディは、そういったアーティストの橋渡しもキッチリやれる素晴らしいアーティストです。

 

残念ながらlucindaの動画はないので、ここは本家本元と言っても良いエミルーとバディのカヴァーを。泣けますねw

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