天才的パフォーマー、デビット・Bという二人
ボウイの死は大きなショックでした。ボウイらしい不意打ちが、なんとも複雑な心境にさせられたものです。
ボウイの死直後のコメントの中で、とある評論家が言った「ボウイはジャンルにこだわりがなかったんだと思う」という言葉が強く印象に残っています。
もっと言ってみれば「結構節操がなかった」のだとも言えると思います。
いわゆるグラムロック(ジギー時代)のインパクトが強いけれど、結構節操なく今時のスタイルに飛びついたのもボウイだったと言えるでしょう。
もう一人、貪欲にスタイルを変え続けるデビットがいます。
その名もデビット・バーン。
その飄々とした風貌からボウイのようなカリスマ性を敢えて避けているのだと思いますが、その活動を見れば時代を変えるようなセンセーショナルな所こそありませんが、確実に大きな影響を与え続けた偉大なパフォーマーと言っていいでしょう。
ワールドミュージックの拡大に大きく貢献した一人だったし、トーキングヘッズ時代のアフリカンリズムを取り入れたサウンドもセンセーショナルだったし、ライヴ映画の金字塔「ストップ・メイキング・センス」は今もってライヴ映像の金字塔だったりする。
バーンの功績は数え上げればキリがないと言っても過言ではありません。
とにかくデビット・バーンはボウイと同じイニシャルだしw、全くボウイに引けを取らない偉大なアーティストなのは間違いありません。
ただ、この人はボウイと違ってユーモアをこよなく愛しているのだと思います。
ロックが持つ宗教チックな危うさを嫌っているんだと個人的には勝手に解釈してますが、一環して面白真面目に音楽と向き合っているのは間違いありません。
どこか滑稽だったり、人を喰ったようなパフォーマンスが魅力で、個人的にはそこがバーンの大好きな所なのですが、まあ一般にはちょっと受けない要因でしょうw
Nonsuchからリリースされた久々のバーンの新作「アメリカン・ユートピア」は盟友イーノなども参加した意欲作で、このリリース後のテレビでのパフォーマンスがこれまた最高です。
これこそバーンならではのパフォーマンス。
バーンらしいユニークなパフォーマンスに一筋縄ではいかないハイブロウなバックトラックのギャップがたまりません。
精力的に海外のフェスにも出演しているだけにフジロック出演を期待しましたが叶いませんでした。懲りずに朝霧に期待したい所です。
バーンのアルバムはいつでも数年後に魅力がジワジワ効いてくるような不思議な所があるので、今のうちにチェックしておきましょう。
きっと数年後バーンのアルバムを結構頻繁に聞くことになると思いますよw