【ワンコインCD】チャド&ジェレミー Of Cabbage and Kings
60年代の作品の魅力は、60年代的な音や空気感が明確にあるからでしょう。
頂点にビートルズがあって、ビーチボーイズやストーンズ、キンクス、フーなどが醸し出すある種の空気と独特なサウンドは一度病み付きになると、中々抜け出せません。
かくいう私もそういう中毒の一人で、年齢的に体感していない癖に、60年代の音を聞くとノスタルジックな感傷についつい浸ってしまいます。
ビートルズの音は勿論60年代ならではなのですが、これがチープになればなる程に60年代の匂いのようなものを濃厚に感じられたりするのが、これまたコレクター泣かせだったするのです。
時代も過ぎて60年代好きのバンドが60年代チックなサウンドを作ると、わざと録音を昔っぽくしたり雑にしたりするのは、そういった匂いを演出するためだからです。
60年代のいわゆる名盤の数々は、色々な記事で知ることが出来ます。
サージェントペパーズを頂点に色々ありますが、ゾンビーズの「オデッセイ〜」、ホリーズの「バタフライ」、キンクスの「ビレッジグリーン〜」辺りが好みでしょうか。
それこそこの頃のアルバムは好き過ぎて、限定して選ぶのは不可能でしょう。
このチャド&ジェレミーの作品も、そんな60年代タイムマシーンの一つです。
当然ビートルズから派生する流れに乗った、60年代らしいサイケでイマジネイティヴな作品の一つです。
意外にもシタールやホーミーらしきサウンドが入っていたり、ナレーションや効果音、サウンドコラージュなどやりたい放題で楽しい。サイケと言うよりハーパーズビザールのようなバーパンクの匂いが強いように思います。
しかも曲も無難によく出来ていて、聞いていて気持ち良いことこの上ない。
プロデュースがサジタリアスなどを手がけた名プロデューサー、ゲイリー・アッシャー。
幻想的な側面や映像喚起力の強いサウンドプロダクション、正に同じ67年にリリースされたサージェントペパーズと同じ、もしかしたら構成などだけ取ればサージェントより攻めている作品かもしれません。
60年代好きの方なら聞いて損はない。こういうのが425円で買えちゃうCDインフレ時代。日本盤だったのでライナーなどを含めて考えればお得もお得。
ワンコインCDはやめられませんw