パンチ兄弟の新作は、アナログで聞け!

ついに出ました。

パンチ兄弟、待望の新作「All Ashore」!

前作「Phosphorescent Blues」で、ブルーグラスの境界線を軽やかに飛び越え、愛好家の度肝を抜いたパンチ兄弟が新作を提げて戻ってきました。

とはいえ、リーダーのC・シーリはメルドーとの共演作やソロをリリースしているので、しばらくぶりといった印象は皆無。

前作で過激にBGの常識をぶち壊し、再生させた兄弟たちだけに、新作ではオーソドックスなBGを展開するのでは?と予想していましたが、まさしくその通り。

しかもセルフプロデュースということで、出来栄えを期待しておりました。

正直 一聴した時点では、地味という印象w(もちろん前作と比較してしまっているからではありますが…)

しかし、アナログを購入して聞いて驚きました。

このアルバムもキレッッキレだし、ハードエッジだし、グルーヴィだし、文句なしの出来栄えです。

アナログで聞くと、ベースを中心とした低音が活きまくっていて、各パートの超絶技巧がサラウンドで押し寄せてきます。

クリスのボーカルを中心に各メンバーの音の位相がクリアでグルーヴ感が全然違う。

特に毎回恒例のインストナンバーがえらいアナログで映えます。

アメリカではハイテクに真っ向から人的なハイテクで勝負する兄弟たちというスタンスがやたらと評価されているみたいで、もちろんそれも分かる。

シーリ的にも兄弟での作品にテーマを付与することで創作の機動力にしていて、だからこそ兄弟は特別なものになっているんだと思う。

しかし、まずは兄弟の素晴らしいハーモニー、演奏、そしてなかなか評価されないクリスのソングライティングに注目して欲しい。

アルバムオープニングからかっ飛ばす兄弟の演奏にため息をつくこと間違いなし。

three Dots~、Jumboなど疾走感のあるナンバーが本作では聞きどころではないかとw

演奏スタイルだけで保守的なBGと思わず、じっくり耳を傾けさえすれば、新作が兄弟の手に負えないくらいに先頭を突っ走る兄弟の勇姿を拝むことができます。

 

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