もしかしたら最も誤解されたままのアーティストかもしれない ブルース・スプリングスティーン

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スプリングスティーンと言うと「Born to run」を想像し、浜田省吾のようなバンダナ、Gジャン、Gパンに腕をまくったTシャツ。それにフリーウェイを疾走するバイクみたいなw
そういうパブリックなイメージが殆どなんだと思う。(まあGパンって労働服なんだけどね、当時はそんなことも知らなかったw)
少なくとも最大のヒット曲「Born in theUSA」でスプリングスティーンを知り、「明日なき暴走」に手を伸ばした人の多くがそうだった。
個人的には、この曲のスプリングスティーンにびっくりした。あれ?なんでこんな悲壮感漂ってるんだろう。バイクで突っ走るGジャン野郎のスプリングスティーンはどこ?
あまりにも情報が少ない八王子の中学生は混乱するしかなかった。
ネットもない、テレビでも情報がない、そんな中で稚拙に調べていくと、おぼろげに見えて来たのはレーガン政権下で辛い生活を強いられる白人貧困層(レッドネック)だった。
そして、レーガンが大統領選でスプリングスティーンの「Born in~」を使用するのに猛反発するニュースに戸惑い「Born~」のサビの前に真のファンは「he was」をつけるのが流儀なんて話にイメージと違うスプリングスティーンの実像を見たような気がしたものだった。
思えば、この頃にロックの背景に見え隠れする社会問題とか歴史とかに興味を持ち、いろんな本を読んで音楽を再度聞きなおすみたいなことに面白さを感じ始めたんだと思う。
当時、宝島別冊で人種問題や社会問題を書いていた町山智浩の本から、そういったものを結構学んだ気がする。
そして今、トランプ政権で注目を集める白人貧困層問題と、それをラジオで解説をする町山智浩がいて、スプリングスティーンがシビアなアメリカの現状と自分の人生を反映させたライブ盤をリリースする。
時代は回るじゃないけど、この奇妙な一致みたいなものに、未だアメリカも何も変わっていないのかもしれないなんて思う。