フジロック2019 寸評 きっぷが良い男 オリジナルラブ
思えば、渋谷系の三巨頭といえば、フリッパーズ、ピチカート、そして、オリジナルラブでした。
ただ、ニューウェイヴ、ネオアコの匂いを残すフリッパーズとピチカートに比べて、オリジナルラブはいち早くジャズやソウルの方へシフトしていました。
そのせいか、人気の面でも早い段階で失速と言うか固定してしまっていたと思います。
ちょっとマニアックというか真にボーダレスだったのはオリジナルラブでした。
そして、今のリズム重視のスウィートソウル、ミディアムファンクがヒップホップの延長でのトレンドとするならば、オリジナルラブはジャストミートなタイミングでのフジロック出演とも言えます。
かなり期待して望んだけれど、期待以上。パッキパキにキレのある演奏に田島貴男の強すぎるボーカルが乗っかって極上のパフォーマンスでした。
パンピーも飛び入りして若干暴走気味の演奏は痛快の一言に尽きます。
「月の裏側〜」「接吻」を文脈に関係なく、惜しげもなく披露するサービス精神と言う無邪気さ全開なところも田島の面目躍如w
ガハガハ笑いながら存分に演奏を楽しむ田島の姿が、いかにも彼らしい。
この底抜けの無邪気さと音楽愛。
これこそオリジナルラブの真骨頂と言えるのではないでしょうか。
ジャジーだろうが、ソウルフルだろうが、そこにジャンルはなくて、田島貴男が純粋に格好良い音楽を演奏する。
それがオリジナルラブ。
惚れ直しました。