シティポップの理想形 高橋幸宏「A Night in the Next Life」

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シティポップ全盛ですね。竹内まりや山下達郎を筆頭にニューミュージックと呼ばれていた音楽が名前を変えてイマドキに舞い戻ってきています。

しかし、ほとんどがブラコンテイストを内に秘めているものが多い傾向です。

それ以外にも洗練された美しい音楽があるので、ここでご紹介。

ちょっと昔の作品を。と言っても、モットーは出会った時が貴方の新譜ですからw

1991年に開催された高橋幸宏のソロコンサート。これは珠玉の作品ですよ。

YMOでも、その控えめでお坊ちゃんな人柄から少々印象が薄い。

強烈な天才性を持つ細野さん、匂い立たせる芸術性とカリスマ性が尋常じゃない教授に挟まれては仕方がないですが、高橋幸宏の良いとこ育ちの洗練さは本物です。

バックに小原礼、KYON、矢口博康、ゲストに鈴木慶一と鉄壁な上に、この録音の演奏は凄まじく洗練されている上に抜群の躍動感です。

細野さんの曲を複数カヴァーする辺りに育ちの良さが出ていますが、これが素晴らしい!「ありがとう」「機関車」だけでも痺れます。加えてビートニクスの名曲やソロの名曲がこれでもかというくらい惜しげもなく連発。

ちょっと入手しにくくなっていますが、初回リリースよりも再発の2枚組がおすすめですよ。

何せアンコールディスクと銘打たれた初回未収録の楽曲は、これまた細野さんの名曲「はらいそ」にソロ時代の名作「音楽殺人」が収録!とても未発表とは思えないクオリティです。

この録音も楽曲に合った透明感のある綺麗な音で、心地よさがハンパない。

高橋幸宏の一歩間違えば甘ったるいラヴソングが際立って聞こえるのは、この盤の録音のおかげもあるんじゃないかと思うくらい繊細で美しいです。

また KYONを中心にニューオリンズフレイヴァーが加味されていたり、矢口博康のアーバンなAOR的なサックスも素晴らしい。正直隙が見当たらないパーフェクトポップです。

もっとも好きなAORアルバムと言っても良いくらいの大人で美しいライヴです。

高橋幸宏さんの魅力がもっとも強烈に伝わる名作です。ぜひ探してみてください。