よりブルーグラスを楽しむために infamous stringbusters "we'll do it live"

パンチブラザースのライブでお馴染みの「Rye Whisky」の掛け合いや、アイリッシュトラッドでいうところのジグの演奏の時、クリス・シーリはとても嬉しそうです。

それを見る度、クリスがブルーグラスを愛しているのを再認識してほっとします。

パンチブラザースは世間一般のブルーグラスのイメージを破壊している。そして、新しい「これからのブルーグラスを創造している」と思います。

この驚くべき素晴らしい偉業を進めるクリスが信用できると思えるのは、やはりブルーグラスらしい楽曲を楽しそうに演奏するクリスを見た時に尽きるのです。

クラシック、ロック、ジャズ、テクノなどあらゆる音楽スタイルを咀嚼し尽くす勢いのクリスの音楽に没頭する度に、ふと思うのは自分が聞いているのはブルーグラスで、それを好きなのか?クリス・シーリというアーティストが好きなのか?という疑問なのです。

そんな自分に、いやブルーグラスも素晴らしい音楽だと思わせてくれたのが、infamous stringsbustersでした。

パンチよりも数段日本では無名、とにかくアメリカーナのルーツになる音楽の殆どが邪険にされている日本で、infamousがニュースになることは、ほぼゼロでしょうw

私が、このバンドを知ったのは、イーファ・オドノバンやサラ・ジャローズがゲスト参加したアルバム「Ladies&Gentleman」ででした。

よくよく調べるとパンチのクリス・エルドリッジが創設メンバーのバンドで、パンチの系譜にあるバンドでしたが、それまで知ることがありませんでした。

このバンドは洗練されてはいますが、アーティスティックな傾向が強いパンチに比べるとオーソドックスなブルーグラスのスタイルを取っています。

パンチの様な奇抜さや、ジャンルを横断したりはしていません。

王道なだけにキャラは強くありませんが、アメリカ各地を回る百戦錬磨のライブ巧者の様な勢いや楽しさを感じることができます。

特にこのライヴ盤のinfamousは、まさにブルーグラスのライヴの楽しさを感じさせてくれる一枚で、観客の盛り上がりも凄いです。

特に後半に行くにつれ、スライドギターの疾走感やバンジョーの早弾きの連発、コントラバスの重低音が相まって、怒涛の盛り上がりを見せます。

あのジグを演奏するクリスのはしゃぎっぷりは、こういったブルーグラスカタルシスを知っているからこそのはしゃぎっぷりなのだろうと思います。

ライヴ盤としてシンプルに素晴らしく、ブルーグラスの魅力や、アイリッシュトラッドからアパラチアンミュージックへの系譜と伝統を実感できる素晴らしい内容です。

パンチ以上に生で見てみたいバンドですねw

なかなか手に入りにくい作品ですが、見かけたら是非。超絶オススメですw

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