オムニバスは期待したほど良いものはない? ハル・ウィルナー逝去

オムニバスアルバムは厄介です。

参加アーティストは文句なし。これだけのアーティストが揃っていれば間違いないだろうと思ってワクワクしながら購入してみると、これが全体の印象がしょぼい。

加えて目当てのアーティストの楽曲が、結局ボーナストラックとかベスト盤に収録されてオムニバスアルバムは聞かれることなく埃をかぶる…

オムニバスあるあるだと思います。

ただ、良いオムニバスは知らなかったアーティストとの出会いがあったり、思いがけないアーティストの再評価につながったり収穫があるのも確かです。

思い出す限りで、このオムニバスは買って良かったと思うものは少ないものです。

何度も聞き直すオムニバスの中でも、とりわけ印象深いものの中にこの二枚があります。

クルト・ワイルの楽曲を集めた「星空に迷い込んだ男/クルト・ワイルの世界」と映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」のインスパイア盤としてリリースされた海賊の歌を集めた「SON OF ROGUES GALLERY: PIRATE BALLADS, SEA SONGS & CHANGES」の二枚。

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この二枚は、アルバムのテーマに合わせた楽曲が統一感をもって揃えられている上に、新たなる解釈アレンジが施されていて聞いていて発見がいくつもあります。

その上、豪華アーティストの絶妙な組み合わせなどもあって飽きることがない。

R・トンプソン、N・ケイヴなど大御所からJ・ホランドのような渋めの若手まで、セレクトも幅が広く絶妙です。

個人的にはパーフェクトに近いオムニバス盤だと言っても良いです。

この2枚のアルバムを手がけたのがハル・ウィルナー。

映画音楽なども手がける才人で、個人的にはルシンダ姐の「WEST」を手がけたことなどが記憶に新しいですが、何よりもこの2枚のオムニバスでの仕事が印象深いです。

センスが良いのでしょう。2枚の参加アーティストは絶妙としか言いようがなく、大御所だけ集める訳ではなく、ジャンルも多彩でキャリアで見ても幅広い。

かといって意外性だけを狙った風でもなく、聞けば納得のセレクトと思えるあたりに、ハル・ウィルナーのセンスの良さが光ります。

それほどオムニバスを聴き込んでる訳ではありませんし、オムニバスを専門に手がける人を多く知ってる訳ではありませんが、ハル・ウィルナーのクレジットがあると興味が湧きます。

他にもいくつか彼が手掛けたオムニバスがあるので、このようなきっかけとはいえ、聞いてみようかなとも思っています。

享年64歳、コロナウィルスも原因の一つだったようです。

思った以上に若い年齢でした。合掌。

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