ただ、ただ好きというだけ THE DIVINE COMEDY
とかく、ロックは時代性や革新的なスタイルなどを求めがちです。
興味を持つきっかけとしては、時代を象徴しそうだったり、革新的な作品であれば、手に取る機会は高まるのは確かではないでしょうか?
そんな中、個人的には四半世紀静かに応援し続けたバンドがあります。
DIVINECOMEDYというバンドです。
日本ではほぼ無名、当然人気もない。評価はといえば、バカラックもどきと言われてみたり、時代遅れのブリットポップ的な扱いばかり。
まあファンの私がいうのもなんですが、革新性がある訳でもなく、時代とリンクすることは皆無と言っても良いでしょうw。
しかし、これほど感性がジャストフィットするアーティストは他にありません。
年齢が非常に近く、小さい頃から英米のロックやチャートに夢中になっていたこともあって、恐らく同じような音楽体験をしているとしか思えないくらい嗜好が近いw
カヴァーする曲がことごとく好みで、ロキシーミュージックの「Oh Yeah」やFGTHの「Power of Love」、Magnetic Fieldsの「Book of Love」など、決して代表曲ではないけれど、個人的に大好きな曲ばかりカヴァーしてくれています。
当然オリジナルも、いちいちメロディばかりでなくオーケストラアレンジなど、細かいところで何度も感情を揺さぶられるので、ちょっと特別な存在なのです。
DIVINE COMEDYは、ニール・ハノンのソロプロジェクトで、今回結成30周年を記念するボックスセットが発売されました。
日本では全く人気がありませんが、イギリスやアイルランド、ヨーロッパを中心に特にフランスでは本国以上に人気があるようで、熱心なファンが多いようです。
勿論ビートルズやXTC、コステロなど伝統的な英国ポップスの伝統に則っていて、バカラックやマイケル・ナイマンなどの叙情性、D・ボウイ〜S・ウォーカーの系譜にも乗るボーカルスタイルが特徴でしょうか。
ただ単に好き。芸術的評価も時代性も、革新的なスタイルも関係なく、ひたすらメロディや節回し、バックのアレンジ、ボーカルスタイルなど、ごくごく当たり前な音楽スタイルがたまらなく好きというだけで、コツコツ四半世紀聞き続けてきました。
思えば遠くに来たもんだ
音楽を聞くことで、こんな感慨を持つのは初めてと言っても良いです。
そして、好きになったアーティストが人気や評価に関係なく(なくはないかw)ここまで活動を続けて来たことに、ちょっとした感動さえ覚えずにはいられません。
日本で彼の音楽を連綿と聞いている人は数少ないと思うので、もし、この文章を読んで少しでも興味を持った方がいたら、是非聞いてみて下さい。
過去の作品をリマスターで振り返ってみても、今更ながら改めて聞き惚れてしまいました。これから一枚一枚紹介できたらいいなと思っています。
ここ数年で個人的ベストと思える曲も、彼らの曲だったのが、少し気恥ずかしい。
でも名曲です。秋の夜長に是非w