四月になれば、彼女は… ファナ・モリーナ覚醒
タイトル、あんまり意味ありませんw
ファナ・モリーナといえば、アルゼンチン音響派がROVOの勝井祐二などと交流を始めた頃に名前を知りました。
その時フェルナンド・カブサッキらと共に知名度を上げましたが、どこか内向的で繊細な感じで、あと一歩突き抜ける感じがなかった印象があります。
同時期に知ったジョアンナ・ニューサムとかとかぶっていたかもw
ところが、フジロックでKononoNo1やディアフーフらと共演して、「あれ?面白いことやってるなあ」となんとはなく気にしていたら、いつの間にかアー写がオジー・オズボーンみたいになっていて驚きと同時に爆笑していましたw
青葉市子のライヴに久しぶりに行ってみたら、いつの間にかスージー&ザ・バンシーズみたいになっていて、呪詛のような歌を歌っていたみたいな感じでしょうかw
で、先日サブスクでちょっとそそるジャケットがあったので見てみたらファナのライヴアルバムで、しかも録音場所はメキシコ。2020年、ちょうど一年前のリリース。
これは聞いてみなければと聞いてみたらオープニングの「オラ」という極妻チックなドスの効いた挨拶の後に一発音が鳴っただけで「間違いない」感じのガレージっぽいサウンドに完全ノックアウト。
そこからは怒涛の音の洪水。
Kononoと共演したキャリアからかアフロビートみたいな呪術的なリズムがパンキッシュな演奏の中に垣間見えるわ、音響派出だけあってミニマルなリズムの反復とパンクのリズムの絶妙な融合も感じ取れる。
何より音も歌も禍々しい。シンセのチープな響きも効果的です。
ゆら帝などでおなじみのガレージ系の禍々しさがたまりません。
しかしアルゼンチン音響派の繊細な少女が、こんな風に覚醒するなんて。
初期のアルバムには突き抜け切らない少女SSWあるあるな感触がありましたが、前作「un dia」で覚醒の予兆、挙句こんな思いもよらない覚醒の仕方をするなんて予想外。
インタビューによれば、ツアー中にトラブルで楽器が届かず、ライヴハウスに据え置きの楽器で演奏した時にパンクっぽい演奏をしたら大受けしたのがきっかけだとか。
このはっちゃけ方は期待大。久々に禍々しい、よからぬ感触のロックンロール的なサウンドにわくわくしました。
パンクの初期衝動をそれなりに音楽IQの高い人が緻密にやるとこうなるといった凄みとたちの悪さが滲み出ていて、正直ゾクゾクしちゃいます。
次作が極めて楽しみになりました。