脇役の美学では終わらせない イーファ・オドノヴァン
名バイプレイヤーって誉め言葉でしょうか?
ちょっと微妙に感じることがあります。
天才クリス・シーリやサラ・ジャローズやサラ・ワトキンスとのI'm with herなどでも活躍するイーファにとっては、さほど誉め言葉ではないように思えます。
優れた歌い手でありながら、引き立て役になってしまうのは、彼女の性格などがあるのでしょうか?
そんなイーファの新作は、名バイプレイヤーでは終わらせない彼女の意気込みが見え隠れします。
まずはプロデューサーにジョー・ヘンリーを起用。バックにジョーの息子やジェイ・ベルローズ、デヴィッド・ピッチなどジョーファミリーを従えながら、あの独特なジョーカラーに染まっていないあたりに彼女の実力が垣間見えます。
またブルーグラスに収まらず、アイリッシュカラーが仄かに香るのもイーファらしい。
またジョープロデュースもあって、トラッド系に収まらない、現代的なポップソングとしても機能しているのが魅力。
「クリスの手下に甘んじないわよ!」という気概を感じる一枚。