ストーンズはAppleのCMで聞いた女の子

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巷で(勿論、好きものの間でですがw)評判のMolly Tuttle。

ルシンダ姐やギリアン姐は言うまでもなく良いのだけれど、カントリー畑で言えば、少々亜流と言わざる得ません。

女伊達らというか、ダミ声だったり、従順じゃなさそうだったり、正統派の女性Voとは言い難いのは仕方ない。

エミルー姐のような正統派リスナーさえも溜飲をさげざる得ないような歌い手も出てこないといかんのではないかと、極東で勝手に憂いていたところで、Mollyの登場は吉報でした。

声、ルックス、サウンド、どれをとっても正統派。

1994年生まれ。少女時代から天才的なプレイヤーとして名を馳せ、13歳で父親と連名でデビュー、1stアルバムはエヴァーグリーンなサウンドの快作で、一気に名を馳せました。

2ndでは気鋭のアーティストのカヴァー、FKAツィッグスやナショナルのカヴァーと新世代であることを高らかに示しています。

特にストーンズの「She’s a rainbow」は、いかにもAppleのCMでストーンズが好きになりましたといった軽やかさがあり、出色の出来です。

モリーのフラットピッキングの腕は素晴らしく、ギタープレイ自体は、なんとデイヴ・ロウリングに大きな影響を受けたとか。

デイヴも「彼女のプレイは間違いない」と太鼓判を押すほどですから大したものです。

 

彼女の1stから先日リリースされた3rdまで作品は手堅い。

3rdには、ファンからゲストを活かし切れていないとか、ソングライティングに目新しさがないと手厳しい言葉が続いていましたが、それもこれも彼女への期待が大きいからに他なりません。

モリーのギターサウンドはアナログ映えするのではないかと思い、1st、2ndを購入しましたが、これはレコード会社が手抜きなのか、近年稀に見る音の悪さ。

モヤがかかったような音で、肝心のモリーのギターが奥に引っ込んでしまっていてもどかしい。

配信の方がギターが前に出ていて、インパクトもある強靭なサウンドなので、アナログはおすすめしません。

3rdはノンサッチなので改善されている可能性が高いのですが、2枚とも音が劣悪だったので二の足を踏んでしまっています。

 

誤解なきようお願いしますが、モリーはこれからアメリカーナシーンを引っ張っていく若手なのは間違いありません。

ベラ・フレック同様、バッキングの名手のような存在になりがちなシエラ・ハルやサラ・ジャローズと共に、アメリカーナ女性シーンを活気づけてくれることを期待したいものです。