思いつくままにアメリカーナ その1 スペースカウボーイOST

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コロナでEDMとか消えた気がするなあ…などと思っていたら、ダフトパンクが解散してビックリしましたw

ダフトパンクって解散するんだ…と変に感心してしまったりして。

群れになって馬鹿騒ぎって音楽の大きな楽しみ方の一つだったと思うけれど、それが時代的にそぐわなくなったと言う気がします。

これからは内省的な音楽がしっくりきてしまうのだろうなどと思ったりします。

そんな時代に、アメリカーナとかオルタナカントリーは結構はまる部分が多いみたいで、テイラー・スウィフトの新作などは正しくドストライクだったりしました。

「これこれ」みたいな。

で、そうなるとアメリカーナって何?と自問自答します。

B・メルドーやB・フリーゼルなど、勿論ジャズもアメリカーナとしてはかぶっている部分があるので、アメリカーナの人気をジャズくくりにしたがる傾向があるように見えるのですが、そもそもアメリカーナってジャンル越えの流れの一つと思っているだけに、ジャズに入れ込もうとすること自体が流れに反しているように思えます。

と言うか、さらに「じゃあ、アメリカーナって何?」とw

個人的には発火点は、C・イーストウッドのこのサントラだったように思えます。

2000年公開の映画で、作品自体もラスト以外は素敵でしたが、それ以上にサントラがメチャメチャ好きでした。

メルドーはその頃大好きでしたが、それ以上にW・ネルソンのP・サイモンカヴァーが出色の出来で、何度も繰り返し聞き、W・ネルソンがK・ロジャースとは別人であることに突然気がついたりしたものです。

そもそもイーストウッドがジャズマニアなので、ジョシュアやメルドーは想定の範囲内ですが、そこにW・ネルソンを入れ込んでくる辺りが、当時新鮮だったと思います。

そして、そこから「テアトロ」でW・ネルソンの魅力にはまり、「テアトロ」と対を成す「レッキングボール」、T・ボーン・バーネットギリアン、ルシンダとずぶずぶとはまり込んでいったような気がします。(結構記憶が曖昧です)

そもそもサントラってボーダレスなものなので、イーストウッドアメリカーナを意識していたとは思えません。むしろ、徐々に気になってきていたアメリカーナの波を感じつつ、このサントラにその文脈を勝手に感じていたというのが正しい気がします。

アメリカーナは基本的にアメリカで育ち、作られた音楽、ジャズ、ブルーグラス、カントリー、ロック、下手をすればテックスメックス辺りや現代音楽をも視野に収める自由なジャンルレスなものだと思います。

そこにはヒップホップの台頭も大きく影響していると思いますが、それはまた別の機会で。

個人的には、このOSTに参加しているジョシュアやメルドーが在籍するノンサッチこそアメリカーナの中心地の一つでしょう。

メルドーもクリス・シーリもエミルー姉さんも、ウィルコもジョシュアもノンサッチ。

それ以外にも魅力的なアメリカーナのアーティストが沢山いるのがノンサッチ。

このアルバムを始点として、B・メルドーへ行き、そこからパンチやエミルーとたどりながらアメリカーナを再考してみたいと思います。

では、個人的に衝撃だったウィリーのP・サイモンカヴァーを。サントラでのピアノはメルドーです。それにしてもウィリーの声の美しさときたら…

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待望の再プレス? Sarah Jarosz / Build Me Up From Bones

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4月にサラの傑作が再プレスされるようです。

なぜかジャズ方面からの評価もあったらしく、サラの名前を1ランク上に上げた2013年リリースの傑作。

アナログ盤は、その後市場から消え、なかなか売りにも出なくなっていました。

カラーヴィニールじゃなくても良いんですけど…w

でも再プレスは嬉しい限り。買っちゃいそうw

収録曲でもあるディランのカヴァーを。今まで聞いた数多くのディランのカヴァーでも屈指の名カヴァーです。

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沈黙は金なり ジャズでもクラシックでもない Thomas Bartlett ‘Shelter‘

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トーマス・バートレット。

ジャズにもクラシックにもトラッド系にも、どこにも属しているようで、どこにも属していないようで。

その不思議な立ち位置でありながら、ダヴマン(鳩男)名義、ニコ・ミューリーとの共作、そしてソロなど様々な名義で話題作を放つ天才ピアニスト。

そのピアニストがコロナ禍に突如放ったのが、この「シェルター」

サブスクで頻繁に聞いたので魅力溢れる作品なのは知っていたけれど、まさかのアナログリリースには小躍りしました。

同時代的でありつつ、ノスタルジックな香りも感じる作品だっただけにアナログで聞きたいと思っていただけに、結構即ポチに近いノリで購入。

でもって、この作品こそアナログで聞く価値ありな一枚で、買って良かったなあとw

これからアーティストはサブスクやCDとアナログの違いに意識的である必要が、一定の好事家にアピールするには必要と思っているのですが、まさにトーマスはそこに意識的なんじゃなかろうかと。

アナログの持つ柔らかな音質、クリアな音ではなくて幻想的でモノラル的な耳触りのようなものに特化している感じがあって、いわゆるサウンドマニアとは違うアプローチがこの作品にはジャストフィットしています。

無音部分の濃密さ(ふざけて言っているわけじゃなく)、有機的な無音部分に耳をすますアナログならではの快楽に満ちた一枚です。

遠くのラジオからかすかに聞こえる美しいピアノの調べと言った感じでしょうか、人が絶えた世界で遠くから聞こえる音楽という希望みたいなものを感じました。

トーマスのピアノはそもそもクラシックよりで荘厳ではありつつも、どこか歪んだものをはらんでいるのが魅力ですが、これにもそんな一瞬がいくつかあって、音が飛んだような時空が歪んだような瞬間があります。

多分ちょっとしたアレンジで、いつもの静かな作風の中にちょっとしたアグレッシヴさを感じたりしました。そここそが彼の魅力なんだと思います。

耳をすまして聞くからこそ気づく細やかなくすぐりが快感な傑作だと思います。

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もはや禅問答 細野晴臣 Vu Ja De

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10inchのレコードをリリースする人に悪いアーティストはいないが持論ですw

最近ではティグラン・ハマシアン、イールズ、そして満を持しての細野さん。

そりゃあ気にならない方がおかしいってもので、偶然にもアウトレットを見つけて、格安のプライスだったのでゲットしました。

そもそもこの新作はスポティファイで愛聴していて、収録曲の中でも個人的に大好きな映画を素材にした「洲崎パラダイス」と青葉市子との共作「ラッキースター」がお気に入り。

で、どんな音だろうなんて口元を綻ばせながら針を落としました。

しかしながら劇的にクリアな訳でもなし、エロい臨場感を感じる訳でもない。

むしろ、音的にはアナログらしい平凡さが際立っているような感じでした。

 拍子抜けな感じを持ちつつ2〜3回聞いていると、むしろ「このいかにもなアナログの音こそが細野さんの狙いだったのでは?」などと深読んでしまったりする。

何もない…筈がない。

なんて思わせてしまうのが、もはや別次元で音を鳴らす細野晴臣という存在ではないかと思いながら聞いてしまう。

青葉市子との共作はさすがにアコースティックなギターの音色とウィスパーヴォイスがアナログとはまっていて良い。

むしろ10inchレコードという形式と大判のライナーにこそ、このレコードの存在意義があるかもしれない…なんて無駄に悪あがきしながらリピートしてしまうのも細野チックですw

 

ここでは細野さんオンリーVerをどうぞ。

 

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明けまして おめでとうございます

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いつも気ままにしかアップしていませんが、お付き合いいただきありがとうございます。

今年も気ままですwとりあえず昨年お世話になったアナログでご挨拶代わりでw

 

にしてもコロナでリスニング環境も大きく変わりましたね。

でもって、最近はライヴ盤をよく聞きます。と言うか昔からライヴ盤好きなんですけどね。

それにアナログとかアクティヴスピーカーとか、配信ライヴとかストリーミングとか、聴く環境が変わって、好んで聴くもの、購入するもの、古いもの、新しいものの価値が全部スライディング、スリップアウェイだった気がします。

で、聴きようによっては凄くフラットになれる良い時代なんじゃないかと。

実際、年明けはP・サイモンとディバインコメディとクリス・シーリとアルバート・アイラーエヴァン・パーカーが並列で刺激的に思えると言うw

あとニューカマーで刺激的なヤツがあると凄く充実する気がする。

なんて思いつつ、2021年も良い音楽に出会いたいなあ…なんて思ってたけど、のっけからゲットしたのはウィリー・ネルソンのずっと欲しかったデラックス盤と言うw

まあ、ぼちぼちいきますw   

字余りの魔術師 ディランとOCMS

 

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アメリカーナ、特にカントリー寄りの2、3年前にリリースしたアナログとかが、かなり叩き値で売られるのを目にするとゲットする頻度が高い。

ここらを狙い目にする理由を説明すると長くなるので省きますが、ここらが当たりの確率が滅法高いのです。

OCMSは、ギリアン姐とツアーをしたりする実力派の中堅バンドで、カントリーシーンのポーグスのような存在と言うと分かりやすいかもしれません。

そのOCMSがディランのあのアルバムを丸々カバーしたライヴアルバムを出して話題を集めたのが数年前(日本では勿論話題にもなりませんでしたがw)

ディランの「追憶のハイウェイ〜」は個人的に最強のロックアルバムの一つと言い続けた者としては是非とも聞いてみたいと思っていたのです。

このアルバムが到着する前に本家を聞いて驚きました。何よりも今聞くと十分ポピュラーだし、演奏は非常に下世話で淫靡wだったのです。

で、問題のカバーアルバムを聞くと、一層ディランの偉大さを知ることになりました。

ディランの歌で個人的に強く思うのは、字余りの歌詞がディランならではの独特のグルーヴを作り出していて、それが大好きだと言うこと。

あの投げやりな歌い方がディラン節と思われがちですが、どちらかというとディランをディランたらしめているのは、このリリックの字余りが作り出すグルーヴだと思っています。

大げさではなく、この字余りが生み出すグルーヴを作り出す天賦の才能を持つのは、ディランと尾崎豊で強く思います。周囲の同好の音楽ファンには内緒にしていますがw

このカバーアルバムを聞いても、その自説に何の揺らぎもありませんでした。

字余りのリリック部分でディランの存在を強く感じずにはいられません。

勿論、それはOCMSにとって成功なのか失敗なのかは聴く人によって分かれるのかもしれませんが、個人的には非常に満足できる内容であると言っておきましょう。

ディランのカバーは好きなものが多く、名作を生みやすいと思います。

実はメロディが良いのに、ディランの癖が強すぎて印象が薄くなってしまうことが多いからだと思っています。

ただ、このライヴアルバムを聞いて思うのは、演奏自体は本家の方がストレンジな上に伝統に則っているのに大衆音楽的な印象を強く持つことです。

「ブロンド・オン・ブロンド」は、リリースから半世紀経ってもなお、その強靭なオリジナリティと普遍性、そして前衛性を持ち続けていると言うことでしょう。

名作の中の名作。追憶〜ブロンドのディランは、とてつもなく強力なブツだと改めて痛感させられます。

本家本元を、もう一度聞きたくなります。

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ただ、ただ好きというだけ  THE DIVINE COMEDY

とかく、ロックは時代性や革新的なスタイルなどを求めがちです。

 

興味を持つきっかけとしては、時代を象徴しそうだったり、革新的な作品であれば、手に取る機会は高まるのは確かではないでしょうか?

そんな中、個人的には四半世紀静かに応援し続けたバンドがあります。

DIVINECOMEDYというバンドです。

日本ではほぼ無名、当然人気もない。評価はといえば、バカラックもどきと言われてみたり、時代遅れのブリットポップ的な扱いばかり。

まあファンの私がいうのもなんですが、革新性がある訳でもなく、時代とリンクすることは皆無と言っても良いでしょうw。

しかし、これほど感性がジャストフィットするアーティストは他にありません。

年齢が非常に近く、小さい頃から英米のロックやチャートに夢中になっていたこともあって、恐らく同じような音楽体験をしているとしか思えないくらい嗜好が近いw

カヴァーする曲がことごとく好みで、ロキシーミュージックの「Oh Yeah」やFGTHの「Power of Love」、Magnetic Fieldsの「Book of Love」など、決して代表曲ではないけれど、個人的に大好きな曲ばかりカヴァーしてくれています。

当然オリジナルも、いちいちメロディばかりでなくオーケストラアレンジなど、細かいところで何度も感情を揺さぶられるので、ちょっと特別な存在なのです。

DIVINE COMEDYは、ニール・ハノンのソロプロジェクトで、今回結成30周年を記念するボックスセットが発売されました。

日本では全く人気がありませんが、イギリスやアイルランド、ヨーロッパを中心に特にフランスでは本国以上に人気があるようで、熱心なファンが多いようです。

勿論ビートルズXTCコステロなど伝統的な英国ポップスの伝統に則っていて、バカラックマイケル・ナイマンなどの叙情性、D・ボウイ〜S・ウォーカーの系譜にも乗るボーカルスタイルが特徴でしょうか。

ただ単に好き。芸術的評価も時代性も、革新的なスタイルも関係なく、ひたすらメロディや節回し、バックのアレンジ、ボーカルスタイルなど、ごくごく当たり前な音楽スタイルがたまらなく好きというだけで、コツコツ四半世紀聞き続けてきました。

思えば遠くに来たもんだ

音楽を聞くことで、こんな感慨を持つのは初めてと言っても良いです。

そして、好きになったアーティストが人気や評価に関係なく(なくはないかw)ここまで活動を続けて来たことに、ちょっとした感動さえ覚えずにはいられません。

日本で彼の音楽を連綿と聞いている人は数少ないと思うので、もし、この文章を読んで少しでも興味を持った方がいたら、是非聞いてみて下さい。

過去の作品をリマスターで振り返ってみても、今更ながら改めて聞き惚れてしまいました。これから一枚一枚紹介できたらいいなと思っています。

ここ数年で個人的ベストと思える曲も、彼らの曲だったのが、少し気恥ずかしい。

でも名曲です。秋の夜長に是非w

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