事故か?意図的か? Sly and the Family STONE" FRESH"
さて、アンプ&スライ&ロビーで、スライ好きによるスライ好きのためのアルバムに狂喜したら、本家スライの作品を堪能しなければならないでしょうw
もちろんファンク史上、否、音楽史上に残るスライ三部作「スタンド」「暴動」「フレッシュ」を一通り堪能したり、「アンソロジー」の絶妙な選曲と流れに沿って、スライとは何かに思いを馳せるのもいいでしょうw
「もう、そんなことはとっくのとうに満喫しきって、もうやり尽くしたわ」と言う人も相当いるはずです。
スライの三部作は、それくらい偉大な金字塔です。
その中で「フレッシュ」だけ、ちょっとした珍事があったのはご存知でしょうか?
本家に気を使っているのか、ちょっとしたトラブルだけにおおっぴらに出来ないのか?
そのところは判然としませんが、とにかく微妙な感じで珍事は知られています。
1991年、当時ほぼ廃盤状態だったスライのアルバムが一斉にCDで再発されることになりました。
勿論、輸入盤では既に発売されていましたが、スライのアルバムが日本で再発されるのは極めて喜ばしいことでした。
ところが!どういう経緯でそうなったのか謎ですが、送られてきた音源はオリジナルアルバムの音源ではなく、アウトテイクスの数々だったのです。
事故か?意図的か?
ここで更に謎なのは海外は回収されたのですが、日本盤のみそのまま発売されてしまったのですwしかもロゴの色を微妙に変えてw
個人的には、これは日本スタッフが洒落を効かせて発売したんじゃないか?と邪推しております。一目で見分けがつくようにしている辺りが、どうもそれくさい…w
さて、その音源ですがオリジナルより凄い!と言いたいところですが、客観的に聞けば、やはりオリジナルの方が良いです。
しかし、だからといってショボいかと言うと、黄金期のスライのやることです。当然光るものが幾つも見られます。
「If You Want to me stay」のホーンが抜けることで、あの一級品のベースラインがより際立って、ねちっこいグルーヴが醸し出されていたりw
スライの妹もいたスリーシスターのコーラスが抜けていたりとか、愛しのシンシア・ロビンソンのコーラスがバシッと決まっていたりとか。
スライこそがブラックミュージックの真髄の一つと信じて疑わない人で、この問題の「フレッシュ」を聞いていない人がいたら、ぜひ一度聞いて見るのをおすすめします。
スライの才気が炸裂した歴史的瞬間の過程が垣間見える貴重な音源の一つなのは間違いないと思います。