Bring the Family/John Hiatt

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久々にアナログで聴いてしまったw やっぱり怒濤の名盤だなあ。
これは高校を卒業した頃、コステロやパブロック周辺の人に夢中だった時にニック・ロウライ・クーダー、その上必殺仕事人のジム・ケルトナーがバックだって言うんで買った作品。
購入時は、ジョン・ハイアットなんて名前くらいしか知らなかったし、当時の日本のリスナーの殆どがそうだったと思う。
余りの素晴らしさに一時期、本当にこれしか聞かなかった。
Demon盤のこのジャケットは殆ど見掛けたことがなく、お馴染みのジョン・ハイアットの顔写真になってしまっているけど、内容やこの作品に至る経緯を知ると、このジャケットが沁みるんだよね。
歌手としてパッとせず、アルコールに溺れ、妻を亡くしたジョンが、どん底の中、起死回生で作った作品がこれ。
代表曲の一つになる「Have a little faith in me」は、そんなジョンの悲痛な叫びでもあって、このジャケットはそれを踏まえると沁みる。
至ってシンプル。ライ・クーダーのスライドギターが時折むせび泣き、リズム隊は派手に目立つことなく、ジョンの熱唱をしっかり支える。
余計なものが一切ない。あるのはジョンの聴く者を魅了する歌声と、通受けしかしないような地味だけどソングライティングが光るメロディのみ。
シンプルだからこそ飽きが来ない。
グランドキャニオンにキャンプに行った時、夕日を見ながら聴こうと決めていたのが「Lipstic Sunset」で、念願叶って夕日を見ながら聞いていたら涙がポロリと零れて、自分でも吃驚した。
一生忘れられない、一生聞き続けるMy殿堂入り名盤の一枚がこれ。
他にも色々好きな作品があるけど、このアルバムは絶対外せない一枚。
このアナログジャケットも、今は殆ど見かけないだけに大事な宝物の一つになっていたりする。